中古マンションの購入をする上での注意点はずばり「5W1H」のポイントを押さえておかなければいけないということです。
「5W1H」とは?
- Why(なぜ購入するのか)
- When(いつまでに購入するのか)
- How(much)(予算はいくらか)
- Where(どこのエリア・立地を狙うか)
- What(どんな物件を)
- Who(誰から)
これらの問いにすべてしっかりとした答えを持っておくことが、中古マンションの購入で絶対的に外せない条件で、これらのうちどれかが抜けていると、中古マンションの購入に失敗してしまったり、物件探し自体が上手く行かなかったりするリスクが高くなります。
ここでは、中古マンションの購入に欠かせない、それぞれの問いに対する答えや考え方について、説明していきます。
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中古マンションを購入してどんな暮らしを実現させたいのか?
中古マンションに限らず、家を買う目的(Why)をしっかり考えておくことは、あなたが考えている以上に重要です。
なぜなら、あなたやご家族が実現させたい暮らしのイメージが家を購入することの目的であって、中古マンションというのは、それを実現させるためのツールでしかないからです。
基本中の基本なのですが、ここがしっかり考えられていないと、家を購入することが目的になってしまい、理想を追いかけるあまりに何年経っても購入できていない人もたくさん見てきています。
「家事と育児を両立させたいのか」「子供の教育に力を入れたいのか」「老後も安心して暮らせる環境が欲しいのか」人によってそれぞれだと思います。
その他、なぜ住宅を購入しようと思ったのか、というそもそもの理由についてもしっかり考えて置くことが重要です。
「家賃がもったいない」「今の家が狭い」「資産が欲しい」「いつかは寮を出なければいけない」など、これも人によって様々ですが、住宅を購入する上で重要なポイントなので、家族も含めてじっくり話す機会を設けるようにしましょう。
購入にあたり譲れない条件を決める
中古マンションに限らず、住宅を探す上で覚えておいて欲しいのは、ご自身の希望や条件を100%満たす物件を見付けることは、非常に難しいということです。
「自分の希望にかなう物件であれば金に糸目はつけない」なんて方は別かもしれませんが、ほとんどの方は予算的にも制約がある中で探しているのではないでしょうか。
制約がある中で物件を探すのであれば、「これだけは譲れない」という条件と、「これなら妥協しても構わない」という条件をしっかり把握しておくべきです。条件に優先順位を決めておくのも良い方法です。
ここで気を付けたいのは、あまり条件を増やし過ぎないことです。条件が増えれば増えるほど、物件は見つかりにくくなりますので、良く考えるようにしましょう。
また実際に中古マンションを探す中で、なかなか希望に合う物件が無い時は、もう一度条件について振り返ってみるようにしましょう。
いつまでに購入するかを決めておく
なぜ購入するのかが決まれば、いつまでに購入するか(When)を決めておいた方が上手くいこ事が多いです。
一番気を付けたいのは、「特に期限を決めずいい物件があれば」という状態です。不動産でなかなか100%の希望を満たすものには出会えないとお伝えしましたが、期限が決まっていないと「もしかしたらもっと希望に合うような物件が出てくるかもしれない」という考え方に捉われてしまう可能性があります。
「ほとんど条件は満たしているのだけれど、、、」といって物件を見送ると、次に物件を探すときにはこの時の物件より、より条件が合うような物件を探すようになってしまいます。
そうなると、いつのまにか「無い物件」をいつまでも探し続けることになるかもしれません。またいつまでに購入するかが決まっていない方は、不動産仲介業者もあまり真剣に相手にしてくれません。
不動産仲介業者も営業なので、期限が決まっていて確実に買ってくれる人の方に注力しがちです。ある程度期限を決めて、エージェントと共有することで情報提供の頻度も増えますし、結果的に上手く行くことが多いと思います。
無理なく支払える予算を把握する
実際に中古マンションを探す前に、ぜひやっておいて欲しいのが、無理なく支払える予算(How much)を把握することです。
いくらいい中古マンションを購入できたところで、予算に無理があって月々の支払に窮するようであれば、そもそも住宅を購入する目的は達成されるのか?ということです。
正しいのは、無理なく支払える予算を把握し、その予算内でベストな物件探しをすることです。多くの人が予算をしっかり把握することなく、物件探しを始めてしまっているがために、後から大なり小なり苦労をされている方が多いようです。
実際に国土交通省が実際に住宅を購入した人向けにアンケートを取り、毎年公表しているデータをみてみましょう
(出典:平成29年度住宅市場動向調査より)
このアンケートには様々な項目が用意されていますが、その中に「住宅ローンの負担感」という項目があります。中古マンションでは住宅ローンを利用して購入した人のうち、約5割強の人が「負担感」があると答えています。
またこのアンケートは住宅取得時に行ったものなので、今後お子さんの教育費や老後の負担が増えた時にさらにその割合は増えるのかもしれません。
このように念願の住宅を購入したものの、生活が逆に苦しくなってしまうという事態を防ぐためには、どうすれば良いでしょうか?唯一の方法としてファイナンシャルプランナーなどが行うライフプランニングと呼ばれるサービスを受けることです。
このライフプランニングでは、「教育支出」や「老後支出」などを加味した上で、現在の収支と将来の収支を予測し、生活に影響を与えない、無理なく支払っていける予算がいくらなのかが算出できます。
不動産エージェントのネットワーク「HOUSECLOUVER」に無料会員をしていただくと、住宅ローンに関わる様々な情報をお伝えしているセミナー動画が見ることができたり、ファイナンシャルプランナーによるライフプランニングを依頼することが出来ます。
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リセールバリューに気を付ける
昨今、人口の減少が社会問題となっており、それは住宅市場にも大きな影響を与えます。しかし、新築のマンションは今でも建てられていて、物件量そのものは増えています。
このままの状態が続くとどうなるか。すでにその兆候は出始めていますが、問題となってくるのは空家問題です。ある調査機関によると、2033年には3分の1の住宅が余るとさえ言われています。
家が余るということは不動産を欲しがる人が減ることになるので、需要と供給のバランスが崩れ、価格を下げるということです。
ただし、すべての物件が一律に価格を落とすわけではありません。これから不動産市場は、3つに分かれていくと考えています。
- 価格が上昇、もしくは現状維持
- だらだらと価格を下げる
- 価値が無くなる。売りたくても売れない
この中であなたはどの中古マンションを購入したいですか?①であれば、いうことはありません。②も下げる価格次第でしょう。③は街が得ても買ってはいけません。
そこで覚えておいて欲しいのが、「リセールバリュー」という考え方です。リセールバリューを直訳すると「再販価値」となります。つまり中古マンションを購入するときに、将来の資産価値・売却時の資産価値についても検討するという考え方です。
住宅を購入する方の中には、もしかしたら死ぬまでそこで住み続けるつもりと考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし人の寿命は昔よりも長くなり、今では人生100年時代なんて言葉もちらほら聞かれます。
また価値感も多様化し、仕事や家族の状況によってはいつか住み替える時が来るかもしれません。「絶対」に無いとは言い切れない、そんな時代なのです。
そうすると、3,000万円で購入した中古マンションが、10年後に2,500万円の値がつくのか、1,500万円しか値がつかないのか。このことは、あなたのライフプランニングに大きな影響を与えます。
本当の家の値段の考え方
本当の家の価格とは、その家を買った金額ではなく、買った時と売った時の差額と考えられます。その差額を住んだ年数で割ると、その家があなたの暮らしの豊かさに貢献してくれたかどうかが分かります。
つまり見た目の金額や、内装や間取りに一喜一憂するのではなく、将来売却した時にどれくらいの価値がありそうなのか、という考え方を持つことが、中古マンションに限らず住宅を購入することで大切な考え方になります。
リセールバリューの要点は立地
不動産の資産価値は何が決め手でしょうか?その答えは「立地」(Where)です。
立地といっても、都会か田舎かといった広い意味での立地と、駅からの距離や周辺環境など狭い意味での立地があります。
東京カンテイという不動産のデータベースを商品として取り扱っている会社が発表したデータによれば、広い意味での立地が資産価値に与える影響は60%、狭い意味での立地が30%、間取りや設備などは10%と言われています。
つまり資産価値の90%は資産価値で決まるといっても過言ではありません。
実際には駅からの距離が近ければ近いほど、資産価値は高く維持される傾向にあります。また駅も無人駅などではなく地下鉄や各沿線の主要駅に近いことなどが資産価値においてはプラスになります。
そのほかエリア自体にブランド力があったり、人気の学区にある物件は、多少駅から離れていても資産価値が保たれるところもあります。
あなたが気になる中古マンションは、資産価値として将来はどうなりそうか?プロのエージェントの力を借りながら見極めていく必要があります。
関連記事:【住宅購入】不動産会社はどこがいいか?選び方と注意点を教えます!
中古マンションを探すときの注意点
実際に中古マンション(What)を探す時に、どんなことに気を付ければいいのでしょうかを説明していきます。
住宅ローン控除をはじめとした税制優遇の適用の可否
住宅ローン控除という言葉だけでも聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
住宅ローンを利用して中古マンションを購入した場合、一定の条件を満たせば毎年年末の残債額から1%を限度に最大400万円(物件によっては500万円)が10年間にわたり戻ってくるという、非常にインパクトのある制度です。
これらの税制優遇の適用条件には、借りる人にかかる要件(自己居住用や年収など)と、物件にかかる要件(築年数や専有面積の広さなど)があります。
住宅ローン控除だけでなく、登録免許税の減税や、住宅購入時の贈与税の非課税枠もほぼ同じような条件になっています。
これらの制度の適用の可否を分けるのが、物件の要件でもある重要なポイントが「築年数」と「専有面積」なのです。
マンションのような構造の場合、建築年が25年以内と決められています。購入した時(移転登記をした時)に築25年以内であれば、これらの優遇税制は特に何をしなくても利用することが出来ます。逆に築年数が25年を超えると、そのままでは利用することが出来ません。
築年数要件に当てはまらない中古マンションはどうしたらいい?
どうしたら良いかというと、建築士が現行の耐震基準に適合する旨の証明書である「耐震基準適合証明書」を発行してもらうか、「既存住宅瑕疵保険」という保険に加入することで適用できます。
ここで注意てしてほしい、よくありがちな勘違いがあります。それは「現行の耐震基準≠新耐震基準」ということです。
このことについては、現役の不動産営業マンでもたまに勘違いしている人を見かけます。建築基準法の改正により、1981年6月より現行の耐震基準になりましたが、新耐震基準であれば住宅ローン控除の対象になるわけではありません。
耐震基準適合証明書の発行には耐震診断をして、現行の耐震基準に適合しているかどうかが確認できるか、検査済証をもって現行の耐震基準に適合しているかを確認するしかありません。
旧耐震の物件では、まれに耐震診断や耐震改修を行って、耐震基準適合証明書を発行出来るケースもありますが、新耐震基準の建物ではそもそも耐震診断をすること自体がなく、するとしても多額の費用が発生するので、購入者がしようと思っても現実的ではありません。
既存住宅瑕疵保険についても、現行の耐震基準に適合していることを証明する必要があるため、基本的には「検査済証」が必要になります。
関連記事:「中古住宅購入時に利用できる補助金・助成金・減税の一覧」
検査済証とは?
そしてこの「検査済証」という書類ですが、すべての物件に存在するわけではありません。厄介なことに、存在する物件と存在しない物件が混在するのです。
そもそも、検査済証とはどういった書類なのでしょうか?
まずマンションの分譲主となるディベロッパーは役所に対して、どんなマンションを建築するのか、その概要と建築図面や構造計算書を役所に提出し、その計画について許可を受けなければいけません。この建築を申請するときの書類を「建築確認申請書」、そして許可を受けた時に発行されるのが「建築確認済証」といいます。
日本の法律では、この一連のやり取りを経て、確認済証の発行を受けなければ、建築の許可はおりません。
そして検査済証とは、マンションの建築が終わった時に国の機関が、きちんと計画通りに建築されているかチェックをして発行する書類です。
「検査済証」を発行するために受ける検査を完了検査といいますが、実はこれは法律で定められているわけではありません。しかも検査済証が発行されるのは、建築直後の完了検査の時だけです。再発行もされません。
たまに「違法建築」と呼ばれる物件を見かけることがあるかもしれませんが、こういった建物は建築確認申請の時の計画と実際出来上がった物件が全然違っていたりすることがあります。
このようなことから、いくら新耐震基準の時期のマンションであったとしても、検査済証で法令に基づいて建築されているかどうかを確認するしか方法はありません。
ちなみに、この検査済証は今でも8割ほどしから取得されていないそうです。また古い物件であれば、取得率は2割くらいというのが実際のところです。
ですから、建築年が25年を超えている時は、住宅ローン控除の対象になるのかどうか。また不動産業者の無知によって、受けられるはずであった税制優遇が受けられない、なんてことがないように、中古マンションの取り扱いになれたエージェントを選ぶようにしましょう。
中古マンションの面積にも注意が必要
税制優遇には、建築年要件の他にも「面積」の要件があります。マンションであれば共有部分の持分は含めず、部屋の面積でもある「専有面積」で判断します。
ここで注意が必要になるのが、専有面積の測り方です。実は面積の測り方には2つの方法があります。
一つは建築基準法による面積の測り方です。壁の中心線から面積を図るので壁芯面積と呼ばれたりします。もう一つは登記簿法による測り方で、壁の内側から測るので内法(うちのり)面積や公簿面積と呼んだりします。
建築図面には壁芯面積が記載され、登記簿には内法面積(公簿面積)が記載されます。一般的に広告や販売図面に掲載されるのは壁芯面積で、減税制度の面積の判定となるのは内法(公簿)面積です。
この2つの面積を比べると、広く表示されるのは壁の中心線から測っている壁芯面積です。ですからコンパクトマンションなどで50㎡前半の部屋は、謄本で確認すると50㎡を下回っていることがあるのです。
ですから、住宅ローン控除や住宅購入時の贈与税非課税枠を検討する際は、面積についても同じように注意することが必要です。
旧耐震の中古マンションの注意点
築年数の要件と少し話の内容が重複する部分もあるかもしれませんが、重要なポイントですので、ぜひ一読ください。
建築基準法が1981年6月に改正され、それ以降に建築された物件は新耐震基準、それ以前の物件は旧耐震基準と呼ばれております。旧耐震の物件は全マンションの3割ほどが該当するといわれており、実際に物件を探していてもよく見かけます。
昔から経っている物件も多く比較的、好立地に建っているのも特徴です。また築年数も経っているので価格も安く、中古マンションとリノベーションを検討している層にも魅力的に映るかもしれません。
しかし、旧耐震の物件には以下のような注意点があります。
- 現行の耐震基準を満たしていない物件が多い
- 住宅ローンが借りにくい
それぞれについて説明していきます。
現行の耐震基準を満たしていない
旧耐震基準では「震度5強程度の中規模地震でほとんど損傷しないこと」でした。しかし現行の耐震基準では、「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと」とされていて、大地震が起きても人命にかかわる甚大な被害でないことを重要視しています。
日本は災害大国であり、いつどこで地震が起こってもおかしくはありません。住宅購入とは言い替えれば「最大の防災対策」と捉えることもできます。
つまり、災害に強い家を選ぶということも出来るのに、あえて災害リスクの高い家を選ぶのはあまり合理的ではないように感じます。
ただし、旧耐震の物件でも耐震補強工事を施してあったり、「壁式工法」と呼ばれれる比較的低層マンションに多い構造のマンションは、現行の耐震基準を満たしているものもあり、一概にダメという訳ではありません。
むしろ物件が古いからという理由で、現行の耐震基準を満たしているにも関わらず、価格面で評価されていない物件などは案外狙い目といえるかもしれません。
住宅ローンが借りにくい
筆者である私も現役のエージェントですが、ここ近年、銀行の旧耐震の物件に対する姿勢は明らかに厳しくなってきているように感じています。
例えば、多額の自己資金が必要と言われたり、借入期間が極端に短くなったりすることが、信用金庫や地銀を中心によくあります。フラット35では、旧耐震の物件では物件ごとに検査が必要になります。
メガバンクでは、特にこのような制限は今のところありませんが、そもそもメガバンクは人に対する審査基準が厳しく、借りられる方も限られてきます。※2018年8月頃より、三菱UFJ銀行が旧耐震基準の物件融資への姿勢が変わり取り扱いが難しくなりました。
そうなると、旧耐震の物件というのは購入できる層が少なくなることにつながるので、それは旧耐震の物件の需要が減ることを意味し、資産価値に影響があります。
旧耐震のマンションを選択肢に入れる時は、これらの注意点を良く理解した上で検討するようにしてください。
中古マンションを見る時の注意点
実際に中古マンションの内覧に行くと、どうしても部屋の内装や設備、間取りや日当りなどに意識が行きがちですが、マンションでは共有部分も非常に重要になります。
部屋の内部も住む人にとっては重要なポイントではありますが、共用部分は資産価値やマンションの寿命に直結します。実際中古マンションを内覧するときに、部屋以外にどのようなところを見ればよいかを説明していきます。
外壁や防水のコーキング
まず外壁が適正に維持修繕されているかを見ていきます。外壁にクラックが無いか、サイディングを繋いでいるゴム(コーキング)に劣化は無いかを見ていきます。
外壁にクラックやひび割れ、コーキングの劣化などがあると、そこから雨水がコンクリート内に入りこみ、コンクリートの劣化や、中の鉄筋が錆びてしまったりする可能が高くなります。
コンクリートの劣化や鉄筋の錆びは、建物の寿命に直結します。例え新耐震基準のマンションであっても、外壁が適切に修繕されていない物件は、それだけで購入してはいけない理由に十分なり得ます。
エントランスや自転車置き場
共用部が清潔に管理されているのか、ゴミが多く散らかっているのか。共用部はそのマンションの内部を移す鏡といっても過言ではありません。
自転車置き場も同様で、きちんと整理整頓されているか、古い自転車が放置されていないかなど、そのマンションの管理状態を知ることができます。
また自転車置き場においてある自転車である程度、どんな世帯が住んでいるかを知ることも出来ます。チャイルドシートや子供用の自転車が多いところは、若い世帯も多く住んでると予測できます。
ちなみに植栽も綺麗にされているマンションは管理組合の意識も高い場合が多く、筆者も植栽は良く見ています。
掲示板や貼り紙
掲示板や共用部にある貼り紙も、そのマンションで起きていることが分かる情報源です。例えばゴミの出し方に関する注意や騒音などに対する注意書きがあれば、マンション内で起こっている問題について分かることもありますし、修繕についてのお知らせや、コミュニティの雰囲気など、色んな情報があるので、一通り目を通すようにしてみましょう。
マンションは管理を見て買え
中古マンションを購入するうえで、ぜひ知っておいてほしい格言があります。それは「マンションは管理を見て買え」という言葉です。中古マンションの物件そのものの成否はずばり管理です。
中古マンションは建って時間が経たないと詳細が分からない新築マンションと違い、実際に管理を見て購入することができるので、失敗するリスクそのものを減らすことが、メリットの一つと言われています。
もちろん外壁の修繕や共用部の清掃なども、管理に含まれます。そういった目に見える部分と、目に見えない「マンションの資産状況」を見極めることが、失敗しない中古マンション購入の肝といっても過言ではありません。
管理組合の資産状況をチェックする
マンションのお財布事情ともいえる資産状況は、今現在積み立てられている修繕積立金と、これまでの修繕状況と今後の計画を突き合わせていくことで、健全な状態にあるかそうでないかが分かります。
これらの状況を確認するには、個人では難しいので、エージェントに依頼し、資料を取り寄せてもらうようにお願いしましょう。ただし、物件によってすぐ出てくる資料はマチマチで、すぐにある程度の資料が揃うものもあれば、時間と費用がかかる場合もあります。
ブランドマンションであれば安心?
マンションの名称には、分譲会社ごとのネーミングがあり、大手分譲会社が建てたマンションをブランドマンションと呼んだりします。
よく不動産営業のセールストークなどでも使われていそうな「大手分譲マンションだから安心」というフレーズ。実際に著者も顧客からそのようなことを他社の営業から言われたということをよく耳にします。
実際のところ、大手分譲主が販売したブランドマンションであれば安心なのでしょうか?答えは「No」です。
実際、誰もが知るようなブランドマンションであっても、実際に調査すると管理組合に借金があったり、修繕状況があまり良くなかったりすることもありました。
中古マンションはブランドではなく、「管理」の方が重要です。名前に安心して本質的な部分のチェックが漏れてしまわないようにしましょう。
リノベーションを考えるときの注意点
昨今では、中古マンションを安く購入して、リノベーションで自分好みの部屋を実現することが多くなりました。主な要因として、住宅取得時にかかるリフォーム・リノベーション費用が、住宅ローンに含めることが出来るようになったことが大きいと思います。
都会であればあるほど、新築マンションを購入するよりも、中古マンションを購入してリノベーションをしても割安で済むことが多く、そのコンセプトや見た目のオシャレさから、中古マンション購入時のオプションとして定着しました。
ただ表面的なリフォームであればともかく、こだわりのリノベーションを実現するための注意点があります。
マンションの構造による注意点
リノベーションをする時は、間取りの変更を伴う大掛かりな工事になるものもあると思います。昔名からの3DKの間取りを、リビングの広い2LDKに変更したいという場合などです。
このような間取りの変更を伴うリノベーションを検討するときに気を付けたいのが、建物の構造です。
マンションには柱と梁で建物を支える「ラーメン構造」と、壁で建物を支える「壁式構造」があります。壁式構造は耐震性に優れていて、梁などがなく室内がスッキリするというメリットがありますが、窓などの開口部を広く取れなかったり、室内の壁であっても取り払うことが出来ないことも多く、注意が必要です。
ただ壁式構造のマンションは5階以下の低層マンションに多い構造ですので、このポイントを押さえておけば役に立つと思います。
スケジュールの注意点
リノベーションを検討している方で、中古マンションの購入費と合わせてリノベーション費用も住宅ローンと一緒に借りたいと考える方も多いかもしれません。
そうした時に注意したいのがスケジュールです。通常住宅ローンの事前審査をする時に概算でも構わないので見積もりが必要になります。
表面的な修繕となるリフォームであれば部位ごとにおおよその目安があるので、見積もりを作成するのはそこまで時間がかかるものではありませんが、デザイン性や性能向上を伴うリノベーションの場合は、個別性が強く見積もりにも時間がかかります。
気に入った物件があれば、商談と同時になるべく早く住宅ローンの事前審査に受かる必要があります。なぜなら、購入の申し込みをしても事前審査が通っていなければ他の希望者が現れたら取られてしまうこともあり得ます。人気物件であればあるほどその傾向は強くなります。
このスケジュールやスピード感を考えるのであれば、気に入った物件が見つかってからリノベーション業者を探していては間に合いません。事前にリノベーション業者を見付けておいて、自分がやりたいことを共有し、いざ物件が見付けたらスピーディーに動けるようにしておきましょう。
リノベーション業者のワンストップサービスに対する注意点
中古マンションの購入とリノベーションを一つの窓口で対応することをワンストップサービスといいます。
煩雑な手続きを一手に任せることができ、購入希望者にとってもメリットの多いサービスですが、注意点もあります。
それはリノベーション業者というの建築のプロであって、いくら宅建業の免許をもっていて仲介が出来るとしても、不動産のプロではありません。
リノベーション業者が行う不動産仲介は、リノベーションを取るために免許を取得して始めたというケースが多く、プロのエージェントが行う不動産のリスク判定や資産価値の予測などについては、そこまで知識や経験が無い場合もあります。
リノベーション業者を選ぶことも重要ですが、不動産エージェントも同時に探すことで、両者に連携を取るように依頼することも考えてみるようにしましょう。
自分にとって100%の物件は、人にとっては100%ではない?
リノベーションはそれこそお金をかければどんなことでも出来てしまいます。それが面白さでもあるのですが、リノベーションを考える時にぜひ知っておいて欲しい注意点があります。
それは、お金をかけたからといって、すべてが資産価値に反映されるわけではないということです。つまりあなたの100%の希望を叶えたくて1000万円のリノベーション費用をかけたからといって、もし売却するとなった時に1000万円がそのまま価格に反映されるわけではないということです。
あなたの100%は、他の人にとっては100%ではありません。それだけのお金を払うなら、自分好みに出来る物件を探します。市場で評価されやすいのは誰にとっても70%くらいの当たり障りのない物件です。
ただ資産価値が中古マンションを購入するすべての目的ではないため、ご自身の価値観と照らし合わせて、後悔のないように検討していただければと思います。
関連記事:リノベーション向き中古マンション探しで、やってはいけない3つこと
中古マンション購入の注意点のまとめ
中古マンションを購入するにあたっての注意点は、いかがでしたでしょうか?
中古マンションに限らず、住宅を購入するということは、住宅ローンを組んで資産を購入するということです。
賃貸マンションであれば、周辺環境や間取りや設備などで決めてしまっても、何かあれば引っ越すことも持ち家に比べれば容易ですし、考えることもそこまで多くありません。
しかし中古マンションを購入して失敗してしまうということは、あなたの生活や将来に非常に大きな影響を与えてしまいます。
そうならないためにも、まずは「お金・予算」の部分を間違わないようにしましょう。そして将来売却する時のことも考えて、資産価値が維持されそうな「物件」を探すようにしましょう。
そしてなんといっても、あなたの中古マンション購入が上手くいくかどうかは、パートナーとなる「エージェント」選び(Who)が非常に重要になります。
これまで説明してきたことは、もちろんご自身で出来ることもありますが、多くは経験豊富なエージェントの助けがあった方が上手くいきます。
ぜひ中古マンション購入があなたの人生の豊かさに貢献してくれるものであるよう、しっかり準備をして臨みましょう!
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