マンションというと「集合住宅なのでペットを飼うことができない」という物件がほとんどでした。そのため、ペットを飼うなら一戸建てを建てるというイメージが定着していました。
しかし、近年はペットブームによってペットを飼う世帯数が増加し、上記のような定着していた常識も覆りつつあります。中古マンションであってもペットを飼うことができる物件が増えてきているのです。もちろん名古屋市内にもペット可もしくは相談の物件が増えてきています。
そこで今回は、名古屋でペット可の中古マンションを購入する場合、どんなことに注意しなくてはならないのか、ご紹介していきましょう。ペットと一緒に生活したいと考えている方は、ぜひこちらを参考に家選びを行なってみてください。
現在の犬猫飼育率
一般社団法人ペットフード協会で実施された「平成29年全国犬猫飼育実態調査」では、犬の飼育頭数は約892万頭、猫の飼育頭数は約952万頭という調査結果になりました。
今までは犬の数が猫よりも多かったのですが、年々犬の飼育頭数が減少してきており、猫は推移した状態であったことから、猫の飼育頭数が今回の調査で上回る形となりました。
飼育世帯を見ると犬は約721万世帯、猫は約549万世帯で飼われている状況であり、日本の世帯数は約5340万世帯であるため、そう考えるとかなりの飼育数であることが分かります。テレビ番組などでもペットをテーマにした番組が増えており、ペットの愛くるしい姿をよく見かけるようになりました。
このようなペットブームの影響を受けて、90年代後半にはペットと一緒に住むことができるマンションが建設され始めていき、2003年頃から特に分譲新築マンションの多くはペット可になっていきました。そのため、ペット可の物件を探すなら中古マンションと言っても90年代後半から2000年代前半に建てられたマンションから探すと効率良く探すこともできるでしょう。
マンションによってペット飼育のルールが決まっている
上記でも紹介したように、中古マンションでもペット可の物件を見つけることは可能です。ただし、それぞれのマンションによってペット飼育に関するルールが異なります。
例えば、動物の種類です。一般的にペットというと犬や猫、鳥などをイメージされるかと思いますが、中には爬虫類や珍しい生き物をペットとして飼われている方も多いです。しかし、マンションによっては飼育可能な種類と、飼育してはいけない種類が決まっているので購入する前にきちんとチェックしておかなくてはなりません。
特に、犬や猫を飼っていて珍しいペットじゃないから大丈夫と考えている方は、気をつけてください。中には犬や猫の種類も細かく分類されている可能性があります。
他にも大きさ(体重・体長)や頭数などにもルールが存在する場合があります。大きさは細かく「◯◯cmまで」、「◯◯kgまで」と示されているものから、「成長しても手軽に持ち運べる大きさまで」と若干ざっくりとした示し方をしているものまで様々です。もし、どれくらいなのか具体的に知りたいという方は、不動産業者に聞いておくと良いでしょう。
マンションには自分たちだけではなく他の人も住むことになります。そのため、共有スペースにおけるペットのルールは多く存在します。例えば、「エレベーターに乗る時は必ず抱えて乗り込む」、「バルコニーや共有スペースでブラッシングはしない」といったものです。
また、マンションごとにペットのいる世帯が加入しなくてはならないクラブがある可能性があります。クラブは加入にあたり年会費が必要となる場合もあるので、購入前に確認しておくと良いです。
名古屋市内にあるペット可の物件
名古屋市内には多くのペット可物件があります。普通の物件に比べると数は少ないですが、それでも一つの区に10件以上物件がある地域も少なくありません。
中でも一番多く見られるのは中区です。次いで千種区や名東区、天白区などが挙げられます。
中区は住宅街というよりも栄地区などの繁華街が多いエリアであり、アクセスの利便性が高いことからマンションも多い地域です。そのため、中古マンションにおいてもペット可の物件が多く存在すると考えられます。
また、千種区や名東区、天白区はファミリー層に人気のエリアとなっており、間取りを広く取っているマンションも多いためペット可の中古マンションも多いようです。
やはり、ペット可の物件は比較的間取りが広い物件が多く見られます。中には一人暮らし用の物件であってもペット可の物件はありますが、数はかなり少ないと言えます。こうしたことも踏まえて中古マンションを選んでみても良いでしょう。
ペット可の物件にも様々なタイプがある
一言で「ペット可の物件」と言っても、実は様々なタイプの物件があることをご存知でしょうか?一般的にペット可の物件というと住まいは普通の間取りや設備となっていて、その中でペットを飼うことができるというものが多く見られます。
しかし、近年多くなってきているのが、ペットとの暮らしを考えて作られた設備・施設が付いている物件です。例えば、散歩に行った後足を洗えるように共用スペースに足洗い場を設置していたり、しっかりと毛繕いができて部屋を汚さないようにグルーミング専用のルームを用意していたり、中には広いドッグランスペースを用意している物件もあります。
こうしたペットのための設備・環境が整えられた物件は、まだまだ数は少ないですが徐々に増えつつあるのです。ペットは家族の一員でもあるため、ペットのことを考えて物件を探したいという方はこうした設備・環境のペット可物件を選ぶと良いでしょう。
購入前に気を付けておきたいこと
名古屋市でペット可の中古マンションを購入する際に、気を付けておきたいポイントがいくつかあります。そちらもチェックしつつ物件を選んでみましょう。
マンションの管理規約は必ずチェックする
上記でも書いたようにマンションごとに管理規約は異なり、飼えるペット・飼えないペットが出てきてしまう場合があります。特に、中古マンションにおいては「小型犬・猫までならOK」という物件が多く、中型犬以上になると飼えなくなってしまうマンションもあります。管理規約は購入前に必ずチェックを行い、自分が飼いたい、もしくは現在飼っているペットが該当するのか確認してみましょう。
また、管理規約だけではなく、ペット飼育に関する細かい規則を設けているマンションもあります。例えば「毎年必ず健康診断を受けること」、「年1回最新の状況写真を撮影して提出すること」、「共用部分では必ず抱きかかえる、もしくはゲージに入れておくこと」などが挙げられます。
これらの使用規則もあるようならチェックしておき、もしなかったとしてもマンションのオーナーや売主、不動産業者などに飼う上で注意しなくてはいけないことはないかなどをあらかじめ聞いておくと良いでしょう。
マンションの防音性をチェックしておく
ペット可のマンションで問題になりやすいのが、騒音問題です。ペット好きにとっては動物の鳴き声などはあまり気にならないかもしれませんが、ペットを飼っていない方からすると騒音に感じられてしまう場合があります。
例えば、共用部分にあたる廊下を誰かが歩いている音を聞いて犬が反応してしまい吠えてしまうことや、日中誰もいない部屋の中で吠え続けてしまうといったケースもあります。もしライフスタイルが自身と異なる人の場合、鳴き声で騒音を感じ被害を訴えてくる可能性も考えられるのです。
ムダに吠えないようにしつけることも重要ですが、防音性がどうなっているのかもきちんと確認しておきましょう。特に昼間は誰も居なくなることが多いというご家族は気を付けてみてください。
人間の生活についても考えてみる
いくらペット可の物件で、ペットにとって充実な設備が整っていたとしても、自身や家族に合う物件を選ばなくては意味がありません。例えば部屋数が少なく、今は一つの子ども部屋で良くても将来はそれぞれで子ども部屋が欲しいとなった場合、間取りを変えなくてはいけなくなってしまいます。
また、ペット可の物件で人間も住みやすい環境の物件が見つかったとしても、家賃が高すぎては今後住めなくなってしまう可能性もあるでしょう。
このようなことから、「ペット可」だけにとらわれず、しっかり人間も住みやすい家なのかどうかも見ながら物件選びをすることが大切です。人間が快適に暮らせてこそ、ペットも一緒に幸せな生活を送ることができます。
ペットのことを考えつつも、自身や家族のこともしっかりと考えて中古マンションを選びましょう。
なぜ売主が物件を手放さなくてはいけなくなったのか、理由を聞いておく
不動産業者は、買主に対して重要事項を必ず説明しなくてはならないという義務があります。また、その物件で自殺や他殺が起きてしまった、いわゆる事故物件についての情報開示をしなくてはなりません。
さらに売主や不動産業者は近所同士でのトラブルが発生していた場合、そちらも購入予定者に全て説明する必要があります。
万が一以前の所有者もペットのことで近所と揉めていてトラブルになってしまっていても、同様に購入予定者に知らせます。ただし、売主や不動産業者がいずれもトラブルについて知り得ていなかった場合、トラブルがあったなどの情報を知らないまま入居してしまう形になってしまいます。
購入後にトラブルが発生してしまい、知らなかった・聞いていないという状況にならないように、もし「聞いていない」と言われたら調べてもらうように相談してみましょう。断られてしまった場合は自ら動くことも大切です。近所の方に何かトラブルがなかったか聞いてみると良いでしょう。
物件だけでなく周辺環境もチェックする
ペットも人間も生活しやすい物件が見つかったら、今度は周辺環境をチェックして問題がないか確認してみましょう。今回はペットに関する周辺環境のチェック事項をご紹介していきます。
動物病院
物件の近くに動物病院があるかどうかチェックしてみましょう。ペットの体調があまり良くない場合、徒歩圏内に動物病院があるとすぐに駆けつけることができるので安心です。
また、なるべく動物病院があるかないかだけではなく、口コミなどを調べて飼い主として信頼のおける動物病院を探すようにしましょう。ペットを飼われている方なら分かる方も多いかと思いますが、動物病院に行く機会は意外と多く、例えば病気や怪我で訪れる以外にも予防接種やノミ・ダニの駆除用に内服薬を処方してもらう、定期的な健康診断、併設しているサロンなどでトリミングしてもらうなど、様々なことで動物病院に訪れることでしょう。こうしたことを考えると動物病院とも定期的に、そして長期間付き合っていくことになるわけですから、信頼のおける動物病院を探してみてください。
散歩に適したコース
特に犬を飼っている、もしくは犬を飼う予定だという方は、散歩に適したコースがあるかどうかチェックしてみましょう。近くの道路が車・人間の行き来が激しかったり、道幅が狭かったりすると散歩がしにくくなってしまいます。広めの公園や河川敷があると道も広いため、ゆったりと散歩を楽しむことができます。
ペットホテルなどの預かってくれる施設
出張や旅行など、家を数日空けてしまう場合もあるので、近くにペットホテルなどの預かってくれる施設がないか調べておきましょう。もし、実家やペットに理解のある友人宅が近くにある場合はそちらに預かってもらった方が安心ですが、頼みたい時に用事があって預かってもらえない可能性もあります。ですから、念のためペットホテルなどの預かってくれる施設を探すようにしましょう。
名古屋市内でペット可の中古マンションを購入するには、いくつかの注意点に気を付けながら物件選びを行わなくてはなりません。人間とペット、どちらも快適に暮らすことができる物件を選ぶとなると様々な注意点があるため大変だと感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、名古屋市内は比較的ペット可の中古マンションが見つかりやすくなっており、自身とペットのライフスタイルにピッタリな物件を見つけることもできるでしょう。ぜひ、名古屋市内でペット可の中古マンションを選んでみてください。