住宅を購入するにあたって、多くの人が避けて通れないのが「住宅ローン」です。しかし、将来も払っていけるか不安や心配に感じている人も多いのではないでしょうか。
実は、その不安や心配を精神的なものと考え放置することは非常に危険なのです。ここではその理由と、対応策について説明します。
読者対象はずばり、これから住宅を購入しようと考えている方です。既に契約されている方は別記事「住宅ローンの不安やプレッシャーに対処するための5つのポイント」も合わせてご参照ください。
住宅ローンに不安や心配を感じる人は約8割!
この記事を読んでくれているあなたは住宅ローンについて不安や心配を感じていると思います。しかし、当社が毎月約100人の住宅購入希望者に行っているアンケートでも、実際に住宅ローンの支払いに不安を感じている方はおよそ8割という結果が出ています。つまり、5人いれば4人という、ほとんどの方が不安に感じているという結果なのです。
それもそのはず。住宅ローンの借り入れは数千万円におよび、期間も何十年にも渡ることが大半です。今は良くても、将来もこのまま払い続けられるのだろうか?と不安に感じるもの当然のことだと思います。
こういった住宅ローンに対するプレッシャーは、あなたが特別なのではなく、ほとんどの人が感じているのです。しかし次にお見せする数字は少しあなたにとってショッキングなデータかもしれません。
約6割の家計が住宅ローンが負担になっている?
国土交通省が毎年住宅を実際に購入した人に向けたアンケートを実施している「住宅市場動向調査」というものがあります。内容は多岐にわたり、物件種別ごとに様々な調査項目が並びます。
その中に「住宅ローンの負担感」という項目があります。実際に家を購入した人たち、つまりのあなたの先輩達が、どれくらい住宅ローンが家計に影響を与えているか、集計したものになります。
ちなみに住宅の負担感は以下の4つの項目で集計されています。(対象エリアは、首都圏、東海圏、近畿圏の三大都市圏)
- 非常に負担感がある(生活必需品を切りつめるほど苦しい)
- 少し負担感がある(ぜいたくはできないが、何とかやっていける)
- あまり負担感はない(ぜいたくを多少がまんしている)
- 全く負担感はない(家計にあまり影響がない)
実際のアンケートが以下の図になります。※国土交通省「平成29年度住宅市場動向調査」より抜粋
注文住宅
非常に負担感がある: 9.4% 、少し負担感がある: 62.4% 、合計: 71.8%
新築マンション
非常に負担感がある: 12.5% 、少し負担感がある: 50.6% 、合計: 63.1%
新築戸建て
非常に負担感がある: 10.3% 、少し負担感がある: 48.3% 、合計: 58.6%
中古マンション
非常に負担感がある: 5.8% 、少し負担感がある: 49.0% 、合計: 54.8%
中古戸建て
非常に負担感がある: 11.2% 、少し負担感がある: 40.8% 、合計: 52.0%
このグラフで注目すべき点は、住宅ローンが原因で「負担感がある」と答えているのが、全体の5割~7割もいることです。
また約1割の人は購入したばかりなのに、すでに生活を切り詰めないとやっていけないレベルと答えているのです。恐らく時間が経てばその割合は増えていくのではないでしょうか。
住宅ローンに感じる不安や心配の放置が危険な理由
このように多くの人が住宅ローンに対して不安や心配を感じている中で、なぜこれほど多くの人が住宅ローンに負担感を感じるような結果になってしまっているのでしょうか?
これには明確な理由があります。恐らく大半の人は、住宅ローンに対する不安や心配を、ただ精神的なものととらえ、気持ちを切り替えていこうとしているのかもしれません。
もしくは明確な対処法が思い浮かばず、何となく計算はしたものの、それ以上深く追求して考えてこなかったのかもしれません。
いずれにせよ、非常に多くの人がプレッシャーを感じながらも、結果として生活に負担感を感じているのは残念で仕方がありません。そこでここからは、このような結果にならないための対策についてご紹介していきます。
物件探しよりも大切な予算設定
多くの人が間違えてしまう原因が実はここにあります。それは「いい物件に巡りあれば暮らしが豊かになる」という幻想です。
いい家に巡り合うことは、もちろん豊かな暮らしの為の必要条件ですが、十分条件ではありません。住宅購入で豊かな暮らしを実現するためには、正しい予算設定が何よりも重要なのです。
例えどんなにお得に物件を購入できたとしても、例えどんなに自分の理想にかなう家を建てとしても、支払いが苦しくなってしまえば元も子もありません。そう考えれば正しい予算設定の重要性に気がつくのではないでしょうか?
正しい予算設定とは?
もちろん多くの方が予算を全く決めずに住宅を購入しているわけではありません。恐らく「月々これくらいなら大丈夫そう」と考えながら逆算して予算を計算しているかもしれません。
しかし今の「これくらいなら大丈夫そう」がこの先もずっと「大丈夫」という訳ではありません。お子様がいればいずれ教育費が多くかかるようになってきますし、お子さんの人数によっても変わってきます。また老後の生活設計も考えておかなければ老後破たんを招きかねません。
つまり、住宅の正しい予算設定とは、他の人生における三大支出といわれる「教育支出」と「老後支出」から逆算していくことが重要なのです。今だけでなく、将来の時間軸まで考慮した予算設定があって初めて住宅購入で豊かな暮らしが実現されるのです。
住宅を探す前に必ずやっておくべきこと
あなたはファイナンシャルプランニングといういう言葉をご存知でしょうか?別名ライフプランニングと呼ばれたりもしますが、これは一言で表現するなら「人生の設計図」です。
子供は何人いて、私立や公立のどちらに通わせて、海外旅行にはどれくらい行って、老後はどれくらいの年金が見込めそうで、どんな生活をしたいか。そういった人生の設計図を元に、お金のシミュレーションをしていきます。
設計図があることで、教育費が家計に与える影響が大きくなるのはいつごろで、それを考慮するとどれくらいの予算に抑えておけばいいのかが、感覚的なものでなく、目で見て分かるようになります。
一般的にファイナンシャルプランナーという資格者が行うことが多いこのプランニングですが、アメリカでは知り合いに欲しい資格者として、医者、弁護士、そしてファイナンシャルプランナーが挙げられるほど、生活にとって必要な存在として位置付けられています。
住宅を購入して豊かな暮らしを実現するために
いかがでしたでしょうか?少し前半はショッキングな内容も含まれていましたが、住宅ローンに対する不安やプレッシャーを放置するのは危険であることがご理解いただけたかと思います。
また住宅ローンで生活が苦しくならないための対策もご紹介させていただきました。もし仮にファイナンシャルプランニングに費用が発生したとしても、住宅ローンで失敗することを考えれば、決して高くはないと思います。
是非物件を探しだす前に、ご自身のライフプランニングを考えてみる時間を作ってみてはいかがでしょうか?
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