住宅ローンの収入合算について、共働き夫婦の最適な住宅ローンの組み方とはなんでしょうか?共働き夫婦が検討できる住宅ローンの組み方や種類を説明していきます。
用語の解説だけではなく、ここでは配偶者の状況に応じてどのような組み方をすれば良いかも分かります。
配偶者の状況によって最適解は変わる
この記事をご覧になっているのは、ご自身だけの年収だけでなく配偶者の方の年収も合わせて住宅ローンを借りる収入合算を検討しているのではないでしょうか。
ただ配偶者がこれからも働き続けるのか、また配偶者は正社員かもしくはそれ以外の雇用形態か、などによってどのような組み方をすれば良いのかは変わってきます。
また配偶者の収入が合算できるかどうか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?ここでは、それぞれの状況に応じた住宅ローンの組み方を説明していきます。
住宅ローンの組み方の3つの種類
まずは、夫婦で収入合算をする時に検討することが出来る住宅ローンの組み方の種類や特徴を説明していきます。大きく分けて3つありますが、それぞれの言葉と内容は何となくでも構わないので把握しておくようにしてください。
また後から読み返す場合は、下にある一覧表をご覧になっていただければ簡単に確認や復習が出来るようになっています。
1.ペアローン
ご夫婦が二人とも安定した職業についているのであれば、まず検討したいのはこのペアローンです。例えば3,000万円の住宅を購入するとする時、ご主人が2,000万円、奥様が1,000万円と借入額を分けて借りる方法です。
住宅ローンの契約が2本になるので諸経費は増えますが、それぞれに団体信用生命保険をかけることが出来ます。また住宅ローン控除もそれぞれの残債額に応じて受けることが出来ます。
デメリットとしてはご夫婦ともに審査に受かることなどがあげられますが、メリットも大きい分、共働き夫婦は是非検討してみたい借り方です。
2.連帯債務
次に連帯債務という借り方があります。これは住宅ローンを借りる名義人が債務者となり、もう一人が連帯債務者として借入れる方法です。
収入合算も出来ますし、住宅ローンの契約も1本で済みます。しかし、団体信用生命保険は名義人にしか加入できません。
名義人が明らかに収入が多い場合はいいですが、そうでない場合は万が一の時を考えると、ペアローンを選んだ方がいいかもしれません。
ちなみに住宅ローン控除はそれぞれの割合に応じて受けることが出来ます。銀行での取り扱いは少なく、フラット35で多いパターンです。
3.連帯保証
これは例えばご主人が債務者で奥さんが連帯保証人という形になります。収入合算は出来ますし、手続きも連帯債務と同じく契約が1本で済みます。
団体信用生命保険については連帯債務と同じく名義人のみ加入できます。そして住宅ローン減税は、連帯保証の場合は名義人しか受けられません。
他の借り方と同じように、名義人がお金を返せなくなった場合にもう一方に請求が行きますが、受けられるメリットはかなり少ないです。
これらを表にまとめると以下のようになります。
ペアローン | 連帯債務 | 連帯保証 | |
---|---|---|---|
契約上の位置づけ | 主債務者 + 主債務者 | 主債務者 + 連帯債務者 | 主債務者 + 連帯保証人 |
住宅ローン控除 | 主債務者 ○ 主債務者 ○ | 主債務者 ○ 連帯債務者 ○ | 主債務者 ○ 連帯保証人 × |
団体信用生命保険 | 主債務者 ○ 主債務者 ○ | 主債務者 ○ 連帯債務者 × (フラット35の場合は〇) | 主債務者 ○ 連帯保証人 × |
所有権(持分) | 主債務者 ○ 主債務者 ○ | 主債務者 ○ 連帯債務者 ○ | 主債務者 ○ 連帯保証人 × |
配偶者の状況による考え方
住宅ローンの組み方の種類が分かったところで、ご家庭の状況でどれを選んでいけば良いかを説明していきます。
1.ともに正社員で、今後も配偶者は働く予定
夫婦がともに正社員で、子供が出来ても復職したり、今後もやめるつもりがないのであれば、お勧めしたいのはペアローンです。
それぞれ住宅ローンを組むことで、住宅ローン控除や団体信用生命保険への加入など、多くのメリットを享受できます。
2.ともに正社員で、いずれ辞める予定
次に今は正社員で働いているが、いずれは辞める予定であるという場合。このケースは気を付ける点が2つあります。
1つ目の注意点は、いつぐらいに辞めるかということです。例えば住宅ローンを借り入れて、1,2年以内に辞めるのであれば、住宅ローン控除のメリットを享受で気なくなるので、単純に収入合算の出来る連帯保証型の方がいいです。
2つ目の注意点は、収入合算が出来るといって借入可能額目一杯に借りないことです。借入れる時点では適正な金額であっても、いずれ辞めるのであれば適正な借入額でなくなります。
将来辞めることを念頭にいくらまでなら無理なく返していけるか、慎重にライフプランシミュレーションをしておくことが必要です。
3.配偶者が非正規雇用の場合
たとえば、派遣社員やパートなどがこのケースにあたります。まず配偶者が非正規雇用の場合は金融機関によって、収入合算のルールに違いがあるとういうことです。
一般的な金融機関では、配偶者の収入を合算するには正社員よりも規定が厳しくなり、収入の半分しか合算出来なかったり、もしくは合算自体が出来ないということもあります。
そこで配偶者が非正規雇用の場合、検討したいのがフラット35です。フラット35であれば、雇用形態による制限がありません。極端な話、年金でも収入合算の対象になります。
そしてフラット35の場合は、収入合算の場合は連帯債務型しかありませんが、フラット35では一般の金融機関ではデメリットであった団体信用生命保険で、ふたりとも加入できるタイプの団体信用生命保険が利用できます。
夫婦のこれからの家庭設計が重要
いかがでしたでしょうか?住宅ローンで収入合算をする時、共働き夫婦の状況や今後の生活設計によって、どんな住宅ローンの組み方を選べばいいかの考え方がご理解いただけたかと思います。
一言で共働きといってもその形は様々ですし、将来どのようにしていくかも加味した上で選んでいくことが重要です。
注意しておきたいのが、繰り返しになりますが、収入合算で借入可能額が増えるからといって無計画に購入物件の価格をあげないこと。
将来どちらかが働かなくなる、働けなくなるリスクも含めたライフプランニングが重要になっくることを覚えておいてください。
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